ー作品が生まれるまでー

　動物のような人のような生き物を思いつくままに絵に
描いてみる。時がきて、魂をもつものもあれば、まだそ
の時がこないものもある。その時のきたものは少しづつ
語り始める。その言葉を聴きのがさぬよう、溶けたガラ
スを流し、クスノキを刻むことを繰り返す。その間も小
さな声を聴きのがさぬように。こうして作品はうまれま
す。胸にガラスのハートをかかえた作品は、弱虫だけれ
ど前向き、乗り越えたいという気持ちをかかえています。
作品が作家をとおして語りかけているようです。さてご
覧になられた方にはどんな声が聞こえるでしょう。
ゆっくりご高覧くださいませ。


『大切なもの』